任意売却専門会社に任意売却を依頼すると債権者からの印象が悪くなる?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

任意売却専門の不動産会社に任意売却を依頼すると債権回収会社からの印象が悪くなり不利になるからやめたほうがいいのでしょうか?

ということをご相談者様からお聞きしたことがありますのでお話ししようと思います。

相談者様は不動産会社に家の売却を相談した際に任意売却専門の不動産会社にも相談するつもりだと伝えたところ、

  • 任意売却専門の不動産会社へ依頼することはやめた方がいい。債権回収会社からの印象が非常に悪くなる。
  • 債権回収会社は任意売却専門の不動産会社を極端に嫌がるので任意売却の条件が不利になりかねない。

と言われたそうです。

私が任意売却に長年携わっているから言うわけではありませんが、結論から言うと下記2点においてまったく逆です。

  1. 債権回収会社からの印象が悪くなるとすればプロとしてきちんと任意売却の手続きを進められないからであって任意売却専門の不動産会社であるかどうかは関係ない。
  2. 債権回収会社からの印象がもし悪くなったとしてもそれだけが原因で債権回収会社が任意売却の条件を不利にすることはない。

ということです。

断られそうになって競合相手をつぶすためだけに無責任なことを言う不動産会社がまだいたのかと愕然としました。

任意売却専門の不動産会社だから債権回収会社からの印象が悪くなるというわけではない

任意売却専門の不動産会社に依頼したからといって債権回収会社からの印象が悪くなるわけではありませんのでご安心ください。

任意売却という方法はそもそも広い意味では不動産の売却の中の一つなのですが、普通に不動産を売却するよりも相当の手間暇と時間がかかります。

普通に不動産を売却する際は、不動産会社が売主の不動産を査定して売主と合意した金額での売却を進めていくことになります。

しかし任意売却の場合は、

  • 売主はローンが払えておらず余剰資力もない
  • ローンの残債が不動産売却価格を明らかに上回る

というケースがほとんどで、不動産の売却価格の調整は売主とではなく債権者である債権回収会社と売却価格の調整を行うことになります。

ローンの残債を下回るが競売にしてしまうよりも期間的にも短く妥当な金額での売却を任意売却では目指すことになるからです。

なので売主と債権回収会社の間に入って任意売却の依頼を受けた不動産会社がしなければならないことが通常の不動産売却よりも多いのが任意売却の特徴なのです。

債権者である債権回収会社がここで不動産会社に求めるのは、

  • 任意売却の手続きをきちんと遅滞なく行えること
  • 経済的合理性のある売却価格の提示ができること

の2点がメインとなります。

債権回収会社が任意売却を行うことで得られるメリットが

  • 競売にするよりも早期に換金でき資金回収ができる
  • 競売にするよりも経済的に合理的な金額で換金でき資金回収ができる

の2点です。

債権回収会社は

  • 早く
  • 競売よりも合理性のある金額で

不動産を売却して資金の回収を行うことが業務の根幹だからです。

ここまででいかがでしょうか?

任意売却の手続きを行う不動産会社が任意売却専門であるかどうかは関係なく、きちんと債権回収会社の目的を達成させることができるかどうかが重要だとおわかりになると思います。

そしてその債権回収会社の目的を達成するためには、普段から任意売却をよく取り扱っている不動産会社の方が有利なことは明らかだと思いますし、債権回収会社もそう考えています。

あれしろこれ出せといちいち言わなくてはいけない不動産会社が入った任意売却は、債権回収会社の担当者からしてみれば面倒くさい以外の何物でもないからです。

 

債権回収会社は任意売却を取り扱う不動産会社の印象が悪かったとしてもそれだけで任意売却の条件を不利にすることはない

もし任意売却の手続きに入って万が一その不動産会社の印象が債権回収会社から悪かったとしても、それだけで任意売却の条件が不利になることは絶対にありません。

繰り返しますが債権回収会社の目的は、

  • 早く
  • 競売よりも合理性のある金額で

不動産を売却して資金の回収を行うことだからです。

任意売却の手続きに入っている不動産会社が使えない場合に売主に不動産会社を変更するように言ってくる場合はあります。

しかし任意売却の条件を売主に不利にすることはありません。

任意売却の手続きに入っている以上は、

  • 売主は少しでも高く売却する方が残債が減る
  • 債権回収会社は少しでも高く売却する方が未回収残が減る

ことになりますので、ある意味売主と債権回収会社は利益相反せず一蓮托生だからです。

売主に任意売却の協力を得られなければ債権回収会社は競売で回収するしか方法が無いのです。

任意売却専門の不動産会社にも良し悪しやレベルの違いがありますし、一般の不動産会社も同じです。

なので債権会社回収会社からの印象が任意売却専門の不動産会社は悪いから任意売却が不利になるというのはデタラメです。

 

おわりに

  • 任意売却専門の不動産会社だから債権回収会社からの印象が悪くなると言うわけではなく、任意売却の手続きを遅滞なく正確に行うことが出来ない不動産会社は債権回収会社からの印象が悪くなる。
  • 仮に任意売却手続きに不慣れで債権回収会社からの印象が悪くなったとしてもそれだけで任意売却の条件が売主に不利になることはない。なぜなら売主は任意売却を行うことによって残債を減らすことができ、それは同時に債権回収会社にとっては任意売却を行うことによって未回収残を減らすことができるからである。
  • 任意売却手続きに入っている不動産会社の印象が悪い場合は債権回収会社から不動産会社の変更を打診されることはたまにある。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

コメントを残す

*